老後破産しないための生活術



ねんきん定期便の確認

 

 

さて、老後破産という言葉ですが、これは、定年後に生活が苦しくなって破産状態になってしまっている人を指した言葉です。

 

東京都港区が2011年行った年収調査があるのですが、ここでは65歳以上1人暮らしの高齢者の中で、生活保護者の水準に近いとされる年収150万円未満で生活している高齢者が37%も占めていました。

 

港区はお金持ちが住んでいる地域のイメージがあり、実際港区には生活水準が比較的高い世帯が集まっているのですが、その港区でこの状態です。

 

全国的に調査すれば、老後破産の比率はもっと高いのではないでしょうか。まずは「ねんきん定期便」を確認しましょう。これで自分は将来どのくらい年金が受給されるのかがわかります。これからも働き続けていけば、年金額も増えるので、必要以上に不安になることはありませんが、年金だけで生活費をカバーするのが難しいということも否定できません。つまり、不足分はこれから準備していかなければなりません。

 

2016年の総務省家計調査によれば、働いていない高齢夫婦2人暮らし(夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦、無職世帯)の場合は、実収入は約21万2,835円、可処分所得は、18万2,980円だとされています。消費支出の方は、23万7,691円となっているので、1ヵ月で5万4,711円不足すうことになります。リタイア後、35年間生活が続くと考えると、約2300万円の貯金が必要ということになります。

 

生命保険文化センターのアンケートで「やや余裕のある暮らし」では月額35万4,000円が必要とされており、そうなると35年では約5,900万円が必要になります。老後の生活は人によって価値観もいろいろだと思いますが、具体的なお金のイメージは持っておかなければならないでしょう。